防災キッチンカーは「車」ではなく「仕組み」で決まる
― キッチンカー防災論 ―
私たちはキッチンカー事業を運営する中で、常に一つの問いを考えています。
防災に役立つキッチンカーとは、どのようなものか。
過去の経験から申し上げると、災害時に本当に役立つためには次の二つが極めて重要です。
一つは、被災地域にキッチンカーを継続的に運営できる人がいること。
もう一つは、食材の供給網が確立されていることです。
災害直後には全国から多くの支援が集まります。
炊き出しは被災直後の命を支える大切な活動です。
しかし時間が経つにつれて、被災地に必要になるのは日常の食事です。
炊き出しが一時的な支援だとすれば、営業として継続できるキッチンカーは生活を支える存在になります。
そしてこの存在こそが、実は防災に欠かせないものなのです。
そのためには、被災地で継続して運営できる体制が欠かせません。
当社はキッチンカーに特化したフランチャイズシステムを構築しており、東日本大震災の際には岩手と宮城の2店舗が現地で活動しました。
地域のオーナーが運営しているからこそ、その地域で営業を継続することができました。
また当社のシステムでは、パンとフレーバーの供給体制が整っています。
仮に東北の工場が被災しても、他地域の工場からパンを供給することが可能です。
フレーバーは消費期限が長いため、まとめて備蓄することもできます。
キッチンカーが「防災対応」を掲げる場合、重要なのは車両の新しさや設備の豪華さではありません。
大切なのは、食材の安定供給と、迅速に提供できる体制です。
温かい食事をすぐに提供できることは、被災された方々のストレスを大きく和らげます。
もちろんキッチンカーが清潔であることは言うまでもありません。
しかし、どれほど新しく美しい車両であっても、供給体制と運営システムがなければ、防災時に真に役立つ存在にはなりません。
地域に根ざし、いざという時にも食を届け続ける。
それができて初めて、キッチンカーは防災の力になります。
車ではなく、人と供給の仕組み。
その仕組みを地域に持つことこそ、
私たちが考えるキッチンカーの意義です。
「防災三要素」図
人(地域オーナー)
供給(食材ネットワーク)
機動力(キッチンカー)
「キッチンカー防災システム図」
